RitsukiFujisakiGallery

“ROMANA SPACE TOY STORE” by Romana Machin Tanimura from 20221203 to 20221225




Ritsuki Fujisaki Galleryにて、2022年12月3日 (土) から12月25日 (日) まで、谷村メイチンロマーナによる個展”ROMANA Space Toy Store”を開催いたします。

谷村は1998年⽣まれ。現在、東北芸術工科大学大学院芸術文化専攻複合芸術領域に在籍中。

2021年には、東北芸術工科大学の卒業制作で最優秀賞を受賞し、エキゾチックファイアードラゴン「マスダ三兄弟」という巨大な作品で注目された。

本展では、これまで行ってきたROMANA Toy Storeシリーズの最新作が宇宙をテーマに展示される。

彼女の制作は、日本のソフトビニール人形やカートゥーンに強く影響を受けている。



ソフトビニール人形文化(以下、ソフビカルチャー)は、1960~70年代の怪獣ブームや変身ブームにおいて大きく隆盛した。所謂特撮作品に代表される映像における怪獣や変身は、非日常を日常へ持ち込むことが特徴だ。

そして、それを子供が遊べるように模したものがソフトビニール人形であり、実際に触って遊べるということが子どもの特撮作品への受容を大きく変えたことは言うまでもなく、こういった実体に触れることや、親しみやすさに対する興味は展示空間内に設置されたカプセルトイから見てとれるだろう。



また、ソフビカルチャーは、現代では、登場キャラクターや動物などの再現、模倣から離れ、作家それぞれの物語から生起する造形物が増えており、谷村の制作も例外ではない。

ポップアートの旗手であるPeter Blake (b. 1932)による、実際の玩具や広告物をウィンドウディスプレイに格納した作品、The Toy Shopは、過去への憧憬を掻き立てる。

一方、その後の多くのポップアートは、大衆文化や経済活動に対する批判的な意味を伴って、大衆文化表象を援用したが、谷村の作品群は、それらの文化に対する、より素朴な没入や魅了、敬意から来ている。

谷村の制作は、日本特有の文化であるソフトビニール造形への想いと共に、純粋なアプロプリエーションを伴わないユニークな物語、造形、コミュニケーション、記憶の痕跡を未来に対して紡いでいく闊達な意志を感じさせる。