山本和真 / YAMAMOTO Kazuma
山本和真は1998年東京都生まれの現代アーティスト。2023年東京藝術大学油画専攻卒業、同年から東京藝術大学大学院 油画専攻に在籍。
代表的な展示として、Formless Sky (Shimokitazawa Arts, Tokyo, Japan, 2022), Banned Toys (Ritsuki Fujisaki Gallery, Tokyo, Japan, 2022)。
山本はインターネットの「ミーム」や映像コンテンツ、とりわけホラー映画の持つ「不気味さ」、 「薄気味悪さ」「居心地の悪さ」に惹かれ、嗜虐性と愛らしさを不穏なまま共存させた作品で知られる。
本来想定されている消費行為の枠組みを逸脱するような遊戯的な消費を創造行為として捉え、遊戯的な消費行為がはらむ過剰性を明るくキッチュなイメージを使用し表現する事で、想定された消費行為の枠組みの揺らぎが生む不安定さの中へ鑑賞者を誘引する事を主なテーマとして制作している。
山本の絵画作品に採用されている図像の意味が容易に把捉できないスタイルは、イタリアのサンドロ・キアら「3C」と呼ばれる作家たちのトランス・アヴァングァルディアや、ドイツ新表現主義の作家ジグマー・ポルケを想起させる。
幻想的な側面と、幼児の落書きのようなラフなイメージとともに、北方ルネサンスの写実性が同居しており、モチーフの非現実性や、意図的に導入されている拙いタッチとは別に、リアリスティックな描写も写真的なダイナミズムを欠き、どこか冷たく佇んでいる。