RitsukiFujisakiGallery

YAMAMOTO Shohei


山本捷平は1994年 神奈川県生まれ。2019年 京都造形芸術大学大学院 芸術先攻 ペインティング領域 修了。

デジタルな複製が溢れる環境において、自作ローラーで敢えてアナログな反復を用いる「絵画」を制作することで、虚ろなものと思われがちな図像や記号の反復の過程を画面上に固定し露見させる。

主な展示に、『Calcite on Myth: Myth』 Ritsuki Fujisaki Gallery (2022年 東京)、KUAD ANNUAL2019『宇宙船地球号』東京都美術館(2019年 東京)、『Re:Reiterate』アンスティチュ・フランセ東京(2019年 東京)。

これまで山本は抽象的な面の上に図像や記号をローラーで反復する「reiterate」シリーズを中心に活動してきたが、2022年、オンラインで取得した主に神話的モチーフの彫像の写真を転写した面のうえに方解石(calcite)を混ぜこんだ絵の具をローラーで反復させる「Calcite on Myth」シリーズを発表。


山本捷平の作品はこれまで、抽象的な画面の上に図像や記号をローラーで反復させるシリーズで知られてきた。たとえば、『reiterate-laocoonte-』はトロイ戦争の悲劇を題材とした有名な彫刻作品の輪郭をローラーで反復させ、『reiterate-ariadne-』は牛頭の怪物ミノタウロス退治の物語に登場するクレタ王女アリアドネの彫像の輪郭が反復されている。




山本はAdobe Photoshopなどの画像編集ソフトを使用し、パネルのサイズやローラーの直径、反復の方向を調整することでシミュレートしてから、いわゆる「実作」にとりかかる。作家の特徴的な道具である自作のローラーによって生みだされる反復は、シミュレーション(計画)を裏切る一回性を作品にもたらすものとして位置づけられている。パネルの上に置かれた絵の具はローラーのよって潰され、反復されるごとにかすれ、図像や記号は減衰することになる。




山本の制作方法は、図像や記号といった表象全般が電子的な操作によって容易に複製される現代の状況を所与のものとしながら、その一部をアナログ化することで、イメージの反復が氾濫するそれぞれのプロセスのただなかにある物質性を浮かび上がらせていく。